建設業許可 欠格要件とは?前科・破産歴がある場合の注意点

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建設業許可の取得には5つの要件があります。そのうち「欠格要件に該当しないこと」は見落とされやすい要件です。建設業許可の欠格要件は建設業法第8条に定められています。該当すると許可行政庁には裁量の余地がありません。つまり申請は必ず不許可となります。

愛知県や名古屋市で建設業許可を目指す経営者の方から、「前科がある役員がいても大丈夫か」「過去に自己破産したが許可は取れるか」本記事では、建設業許可の欠格要件に該当する具体的なケースを整理します。前科や破産歴がある場合の注意点や対処法もあわせて解説します。

なお、建設業許可の全体像については「建設業許可とは?29業種の一覧と取得すべき理由を行政書士が解説」をご覧ください。

建設業許可の欠格要件とは?制度の趣旨

欠格要件とは、建設業法第8条に列挙された不許可事由です。建設工事の適正な施工と発注者保護が目的です。許可要件を満たしていても、欠格要件に1つでも該当すれば許可は下りません。

対象となるのは申請者本人だけではありません。法人の役員等(取締役・執行役・相談役・顧問など)も対象です。さらに、令第3条の使用人(支店長・営業所長)も判断対象に含まれます。個人事業主の場合は本人および支配人が対象です。

愛知県知事許可の申請では、様式第6号の「誓約書」を提出します。加欠格要件の該当有無は行政庁が厳格に確認する仕組みです。

出典:国土交通省「許可の要件」 

欠格要件の全14項目と該当するケース

建設業法第8条は全14号で構成されています。以下に主要な類型を解説します。

破産歴がある場合(第1号)

破産手続開始の決定を受けて「復権を得ない者」が該当します。重要なのは、過去に破産した事実だけでは欠格になりません。裁判所の免責決定が確定すれば「復権」となります。復権後は欠格要件に該当しません。免責決定までの期間は通常3か月〜1年程度です。名古屋市内の方は本籍地の市区町村で「身分証明書」を取得して確認できます。

前科がある場合(第7号・第8号)

前科による欠格要件は2つに分かれます。

第7号は「拘禁刑以上の刑」に関する規定です。2025年6月施行の改正刑法により「懲役・禁錮」が「拘禁刑」に一本化されました。犯罪の種類を問わず、拘禁刑以上の刑を受けた方は対象です。刑の執行終了日から5年間は許可を受けられません。

第8号は「特定の法令違反による罰金刑」に関する規定です。すべての罰金刑が該当するわけではありません。対象となる法令は建設業法、建築基準法、労働基準法、職業安定法、暴力団対策法などです。また、刑法上の傷害罪(第204条)、暴行罪(第208条)、脅迫罪(第222条)、背任罪(第247条)などによる罰金刑も該当します。これらの罰金刑は執行終了日から5年間が欠格期間です。

なお、執行猶予中の方も欠格要件に該当します。ただし執行猶予期間が満了すれば刑の言渡し自体が効力を失います。満了後は5年の経過を待つ必要はありません。

許可の取消歴・行政処分歴がある場合(第2号〜第6号)

不正手段による許可取得などで取消処分を受けた場合、取消日から5年間は欠格に該当します。取消処分の聴聞通知後に廃業届を提出して「逃げた」場合も、届出日から5年間が欠格期間です。営業停止命令期間中や営業禁止期間中の方も該当します。

暴力団関係者である場合(第9号・第14号)

暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない方は該当します。暴力団員等が事業活動を実質的に支配している場合も許可は下りません。名古屋市を含む愛知県では、県警本部への照会で確認されます。

その他の欠格事由(第10号〜第13号)

心身の故障により建設業を適正に営むことができない方、法定代理人が欠格要件に該当する未成年者、役員等に欠格該当者がいる法人なども対象です。名古屋法務局で「登記されていないことの証明書」を取得し、成年被後見人等に該当しないことを証明します。

愛知県で欠格要件を確認するための必要書類

名古屋市を中心とする愛知県で申請する場合、次の書類で欠格要件の非該当を証明します。

まず「身分証明書」は本籍地の市区町村で取得します。破産者でないこと等が記載されます。名古屋市の場合は各区役所の市民課で発行可能です。

次に「登記されていないことの証明書」は法務局で取得します。名古屋法務局(中区三の丸2-2-1)が窓口です。東京法務局への郵送申請も可能です。成年被後見人・被保佐人に該当しないことを証明する書類です。

そして「誓約書」(様式第6号)は申請者が作成します。欠格要件に該当しない旨を誓約する書面です。虚偽の誓約は許可取消と刑事罰の対象になるため注意が必要です。

岐阜県・三重県でも同様の書類が必要です。ただし提出先や様式が異なる場合があるため、事前に管轄窓口へご確認ください。

欠格要件に該当する場合の対処法

該当してしまった場合でも、状況に応じた対策は存在します。

破産歴がある場合は、免責決定の確定を待てば復権となります。復権後は速やかに申請が可能です。愛知県では復権を証明する身分証明書を市区町村で取得すれば足ります。

前科がある場合は、原則として刑の執行終了から5年の経過を待つ必要があります。

許可取消歴がある場合は、5年間の経過を待つ以外に方法はありません。この期間中は500万円未満の軽微な工事のみ施工可能です。

いずれのケースでも、名古屋市内の行政書士に早期に相談されることをおすすめします。欠格要件の判断は事案ごとに異なるためです。

2025年の法改正による欠格要件の変更点

2025年6月1日施行の改正刑法により、従来の「懲役」と「禁錮」が「拘禁刑」に統合されました。建設業法第8条第7号も「拘禁刑以上の刑」に文言が変更されています。実質的な要件内容に変更はありませんが、申請書類や誓約書の文言が更新されています。愛知県でも手引きが改定されていますので、最新版を確認してください。

また、2025年12月12日には改正建設業法が完全施行されました。工期ダンピング対策や労務費に関する規定が新設されています。欠格要件そのものへの大きな変更はありませんが、法令違反による罰則が強化されたため、間接的に欠格リスクが高まっています。

出典:国土交通省「建設業法等改正法完全施行」

よくある質問(FAQ)

自己破産しましたが、建設業許可は取得できますか?

免責決定が確定していれば復権済みとなり、欠格要件には該当しません。愛知県では身分証明書で復権を証明できます

執行猶予期間中は許可を受けられませんか?

受けられません。ただし執行猶予期間が満了すれば刑の言渡しは失効するため、直ちに申請可能です。5年の待機は不要です。

従業員に前科がある場合、許可に影響しますか?

一般従業員は欠格要件の判断対象外です。ただし支店長等に就任させる場合は対象になります。

名古屋市で建設業許可をとる際の欠格要件の相談はできますか? 

みらい行政書士事務所でもご相談をお受けしておりますのでお問い合わせください。

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