建設業許可の財産的基礎要件|500万円の残高証明

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建設業許可を取得するには、5つの許可要件をすべて満たす必要があります。そのなかでも「お金」に関わる要件が財産的基礎です。一般建設業の場合、自己資本500万円以上または500万円以上の資金調達能力が求められます。

「資本金が500万円ないとダメなのか」「残高証明書はいつ取ればいいのか」「更新のときも必要なのか」―この記事では、建設業許可の財産的基礎要件について、一般建設業と特定建設業の違いから、残高証明書の取得タイミング、愛知県での実務上の注意点まで詳しく解説します。

建設業許可の全体像については、[建設業許可とは?29業種の一覧と取得すべき理由を行政書士が解説]をご参照ください。

財産的基礎要件とは?制度の趣旨

財産的基礎要件は、建設業法第7条第4号(一般建設業)および第15条第3号(特定建設業)に定められた許可要件です。建設工事に着手するには、資材の購入や労働者の確保など一定の準備資金が不可欠です。そのため、許可が必要な規模の工事を請け負えるだけの財産的基盤を有していることが求められます。

この要件は、建設業の健全な経営を確保するためのものです。特定建設業では、下請業者への代金支払い義務が加重されていることから、一般建設業よりも厳しい基準が設けられています。

出典:国土交通省「許可の要件」 

一般建設業の財産的基礎|500万円要件の3つの満たし方

一般建設業の財産的基礎要件は、次の3つのうちいずれかひとつを満たせばクリアできます。

最もシンプルなのは①の方法です。法人の場合は直前期の貸借対照表の「純資産合計」が500万円以上であれば、それだけで要件を満たします。個人事業主の場合は「期首資本金+事業主借+事業主利益-事業主貸」で計算した額が500万円以上であることが必要です。

ここで注意したいのは、「資本金」と「自己資本(純資産)」は異なるという点です。資本金が300万円でも、過去の利益の蓄積によって純資産が500万円以上になっていれば、要件を満たします。

③の方法は、すでに許可を取得して5年以上営業してきた事業者が更新する場合に使えるルートです。つまり、更新時には500万円の残高証明書は原則として不要になります。

関連記事:建設業許可の5つの要件とそれぞれの対応

500万円の残高証明書はいつ取ればいい?

自己資本(純資産)が500万円に満たない場合に必要になるのが、金融機関の残高証明書です。

残高証明書の有効期限

残高証明書の有効期限は、申請先の行政庁によって異なります。愛知県の知事許可申請では、「残高の基準日が本受付の直前4週間以内のもの」と定められています。愛知県は仮受付と本受付の二段階制を採用しているため、仮受付の時点ではなく本受付の日から逆算して4週間以内である点に注意が必要です。

大臣許可の場合は、残高日から1ヶ月以内の証明書が有効とされています。

取得タイミングの実務的なポイント

愛知県では、仮受付から本受付まで通常1〜2週間程度かかります。そのため、仮受付の直前に残高証明書を取得してしまうと、本受付の時点で有効期限を過ぎてしまうリスクがあります。

実務上は、本受付の日程をある程度見据えたうえで残高証明書を取得するのが安全です。申請書類の準備が整い、仮受付の目処が立ったタイミングで銀行に残高証明書を依頼するのがよいでしょう。金融機関によっては発行に数日かかるため、即日発行が可能かどうかも事前に確認してください。

出典:愛知県「建設業許可申請手引・様式ダウンロード」 

特定建設業の財産的基礎要件

特定建設業の許可を受ける場合は、一般建設業よりも大幅に厳しい財産的基礎が求められます。次の4つの基準をすべて同時に満たさなければなりません。

特定建設業の場合、更新時にもこの要件を直前決算で満たしている必要があります。一般建設業のように「5年間の継続営業実績」で代替することはできません。更新直前の決算で流動比率が75%を下回ったり、欠損比率が基準を超えたりすると、更新が認められない可能性があります。

一般建設業と特定建設業のどちらを取るべきかは、[建設業許可の「一般」と「特定」の違いとは?どちらを取るべきか解説]で詳しく説明しています。

一般建設業と特定建設業の財産的基礎 比較表

よくある質問(FAQ)

建設業許可の財産的基礎で必要な500万円は資本金のことですか? 

いいえ、資本金ではなく「自己資本(純資産合計)」です。貸借対照表の純資産合計が500万円以上であれば要件を満たします。資本金が300万円でも純資産が500万円以上なら問題ありません。

残高証明書はいつ時点のものが必要ですか? 

愛知県の知事許可申請では、本受付の直前4週間以内の基準日のものが求められます。大臣許可では残高日から1ヶ月以内です。申請のタイミングに合わせて取得してください。

 特定建設業の財産的基礎はどのくらい厳しいですか?

資本金2,000万円以上、自己資本4,000万円以上、流動比率75%以上、欠損比率が資本金の20%以内の4基準をすべて同時に満たす必要があり、更新時にも毎回確認されます。

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