農地の種類で許可の難易度が変わる?甲種・第1種〜第3種農地の区分と転用の可否

農地区分と転用許可の関係を解説するイメージ画像

農地法では農地を5種類に区分し、それぞれ転用許可の難易度が異なります。たとえば市街地に近い第3種農地なら原則許可される一方、甲種農地や第1種農地は原則不許可です。この記事では、農地区分の判定方法と転用の可否をわかりやすく解説します。愛知県・名古屋市で農地転用をお考えの方はぜひ参考にしてください。

農地転用の「立地基準」とは?農地区分で許可方針が決まる仕組み

農地転用の許可を判断する基準は大きく2つあります。「立地基準」と「一般基準」です。

  • 立地基準:農地の営農条件や周辺の市街地化の状況から農地を区分し、その区分に応じて許可の可否を判断する基準をいいます。農地法第4条第6項第1号および第2号に規定されています。
  • 一般基準:転用目的の実現性や周辺農地への影響などを審査するものです。

農地転用が許可されるためには、立地基準と一般基準の両方を満たす必要があります。つまり、いくら事業計画が確実でも、立地基準で「原則不許可」とされる農地区分では転用が認められません。これが「農地の種類で許可の難易度が変わる」と言われるゆえんです。

農地法上の農地区分は、農用地区域内農地、甲種農地、第1種農地、第2種農地、第3種農地の5種類です。優良な農地ほど転用が厳しく制限され、市街地化が進んだ地域の農地ほど転用が認められやすいという構造になっています。

愛知県では、農地転用許可の審査基準を「農地法第4条及び第5条の許可に係る審査基準」(令和6年12月改定)として公開しています。実務ではこの基準に沿って農地区分が判定されます。

出典:農林水産省「農業振興地域制度、農地転用許可制度等について」  
出典:愛知県「農地法第4条及び第5条の許可に係る審査基準」(令和6年12月) 

農地区分ごとの特徴と転用の可否を詳しく解説

ここからは、5種類の農地区分それぞれの定義と転用の許可方針を解説します。農地区分と転用許可の難易度を正しく理解することが、申請成功の第一歩です。

農用地区域内農地─転用は原則禁止

農用地区域内農地とは、市町村の農業振興地域整備計画で「農用地区域」に設定された区域内にある農地です。いわゆる「農振農用地」や「青地」と呼ばれるものがこれに該当します。

この区分の農地は、転用が原則として禁止されています。転用するには、まず農用地区域からの「除外」手続き(農振除外)を経なければなりません。除外には代替地がないことや、農業上の利用に支障がないことなど厳格な要件があります。

甲種農地─最も転用が難しい農地

甲種農地とは、市街化調整区域内にある農地のうち、特に良好な営農条件を備えた農地です。具体的には、農業公共投資(土地改良事業など)の完了後8年以内の農地や、おおむね10ヘクタール以上の集団農地で高性能農業機械による営農が可能な農地が該当します(農地法施行令第6条)。

許可方針は原則不許可です。例外として認められるのは、土地収用事業の用に供する場合や一時的な利用などごく限られたケースのみです。甲種農地は第2種農地や第3種農地の要件に該当しても甲種農地として扱われるため、最も転用のハードルが高い区分といえます。

第1種農地─原則不許可だが例外規定あり

第1種農地は、農振農用地以外の良好な営農条件を備えた農地です。おおむね10ヘクタール以上の一団の農地(集団農地)、土地改良事業の施行区域内の農地、生産力の高い農地がこれに該当します(農地法施行令第5条)。

こちらも原則不許可です。ただし、甲種農地よりも例外規定がやや広くなっています。農業用施設や農産物の加工・販売施設、集落に接続する住宅(500㎡以内)、地方公共団体の農業振興計画に基づく施設などが例外的に許可される場合があります。

第2種農地─第3種農地に立地困難な場合に許可

第2種農地は、市街地化が見込まれる区域内にある農地です。農業公共投資の対象になっていない小集団の生産力の低い農地や、駅・市役所などから500メートル以内にある農地で第3種農地の要件を満たさないものが該当します。

許可方針は「第3種農地に立地することが困難な場合等に許可」です。つまり、申請者は「第3種農地や農地以外の土地では事業目的を達成できない」ことを示す必要があります。代替地の検討が求められる点に注意が必要です。

第3種農地─原則許可で転用しやすい

第3種農地は、市街地化の傾向が著しい区域内にある農地です。具体的には、上水道管・下水道管・ガス管のうち2種類以上が埋設された道路の沿道で、おおむね500メートル以内に2つ以上の公共公益施設がある区域の農地などが該当します。

許可方針は原則許可です。一般基準(転用目的の実現性など)を満たしていれば、転用が認められます。農地転用を検討する際は、まず自分の土地が第3種農地に該当するかどうかを確認するのが実務上のセオリーです。

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農地区分と転用許可方針の比較表

なお、市街化区域内の農地は、農業委員会への届出のみで転用が可能です(農地法第4条第1項第8号)。許可申請は不要ですので、上記の立地基準の対象外となります。

出典:愛知県「農地の転用の許可について(農地法第4条・5条)」

農地区分の調べ方─愛知県での実務ポイント

自分の農地がどの区分に該当するかは、まず市町村の農業委員会に確認するのが確実です。農地の所在地を伝えれば、農振農用地かどうかや農地区分の見込みを教えてもらえます。

愛知県の場合、農地転用許可の申請窓口は市町村の農業委員会です。許可権者は原則として愛知県知事ですが、名古屋市と岡崎市については県から権限が移譲されており、各市が許可を行います。また、一宮市・豊橋市・津島市・豊田市は農地法上の「指定市町村」として独自に許可権限を持っています。

また、農用地区域内農地を転用したい場合には、先に「農振除外」の手続きを行う必要があります。農振除外には半年から1年以上かかるケースもあるため、早めの準備が欠かせません。

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関連記事:農振除外とは?農用地区域内の農地を転用するために必要な手続きを解説

よくある質問(FAQ)

分の農地がどの農地区分に該当するか、どこで調べられますか?

農地の所在する市町村の農業委員会に問い合わせることで確認できます。愛知県では各市町村の農業委員会が窓口です。

愛知県で農地転用の許可権者は誰ですか?

原則として愛知県知事です。ただし、名古屋市・岡崎市は県から権限移譲を受けており、一宮市・豊橋市・津島市・豊田市は指定市町村として独自の許可権限を持っています。

関連記事:農地転用許可申請の流れと必要書類一覧|準備から許可取得まで完全ガイド

農地転用の手続きは「みらい行政書士事務所」にご相談ください

農地転用の手続きは、農地の区分調査から書類作成、農業委員会との事前協議など様々な要因により複雑になります。みらい行政書士事務所では、愛知県・岐阜県・三重県の東海三県を対象に、農地転用の手続き代行を承っております。

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