建設業許可の5つの要件とそれぞれの対応

建設業許可の要件は、大きく分けて5つあります。建設業法第7条に定められた4つの許可基準と、第8条の欠格要件に該当しないことです。これらをすべて満たさなければ、許可を受けることはできません。
「自分の会社で許可が取れるのか分からない」―そうした不安を抱える中小企業経営者や個人事業主は少なくありません。この記事では、建設業許可の5つの要件をひとつずつ分かりやすく解説します。愛知県・名古屋市を中心に建設業許可の実務上のポイントも交えて説明します。
なお、建設業許可の制度全体や29業種の概要については、「建設業許可とは?29業種の一覧と取得すべき理由を行政書士が解説」で詳しく解説しています。
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要件①:経営業務の管理を適正に行う能力があること
経営業務管理責任者(経管)とは
建設業許可の要件の1つ目は、「経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有すること」です(建設業法第7条第1号、施行規則第7条第1号)。具体的には、法人であれば常勤の役員のうち1人が、個人であれば本人または支配人が、一定の経営経験を持っている必要があります。
最も典型的なパターンは、建設業に関して5年以上の経営業務管理責任者としての経験を有する場合です。ほかにも、経営業務管理責任者に準ずる地位で6年以上の補佐経験がある場合など、複数のルートが認められています。
令和2年の改正により、常勤役員のうち建設業での経営経験が2年以上ある者に加えて、財務管理・労務管理・業務運営について5年以上の経験を持つ補佐者を置く方法も新設されました。この改正によって、要件を満たすハードルはやや下がっています。
社会保険への加入も必須
令和2年10月1日施行の改正建設業法により、「適切な社会保険への加入」も許可要件に加わりました(施行規則第7条第2号)。健康保険・厚生年金保険・雇用保険について、適用事業所に該当するすべての営業所で届出を行っていなければなりません。法人は原則として加入義務があり、個人事業主も常時5人以上の従業員がいる場合は対象となります。
出典:国土交通省「許可の要件」
要件②:専任技術者が営業所ごとにいること
建設業許可の要件の2つ目は、すべての営業所に「専任技術者」を常勤で配置することです(建設業法第7条第2号)。専任技術者は、見積・契約締結など建設業の営業に関する技術的な判断を担う人材であり、許可業種ごとに一定の資格または実務経験が求められます。
一般建設業の場合、許可を受けようとする業種について、指定学科の大卒後3年以上もしくは高卒後5年以上の実務経験がある者、10年以上の実務経験がある者、または該当する国家資格を持つ者のいずれかが該当します。特定建設業ではさらに要件が加重され、1級の国家資格者や、一定額以上の工事での指導監督的実務経験が必要です。
実務上、経営業務管理責任者と専任技術者を同一人物が兼任することも可能です。愛知県では、要件を満たす人材がいるにもかかわらず、常勤性の証明書類が不足して申請が止まるケースがしばしばあります。住民票の住所と営業所の距離、健康保険証の事業所名など、常勤を証明する書類は事前にしっかり準備しましょう。
要件③:請負契約に関して誠実性があること
3つ目の要件は、「請負契約の締結やその履行に際して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかでないこと」です(建設業法第7条第3号)。これは許可申請者だけでなく、法人の役員や個人事業主本人、支配人に対しても求められます。
具体的には、建築士法・宅地建物取引業法などの規定で「不正・不誠実な行為」を理由に免許取消処分などを受けた者が該当する可能性があります。実務上、この要件だけを理由に不許可になるケースは多くありませんが、過去に行政処分を受けたことがある場合は注意が必要です。
財産的基礎・金銭的信用があること
4つ目は、工事の施工に必要な資金力を有しているかどうかの要件です(建設業法第7条第4号・第15条第3号)。一般建設業と特定建設業で基準が大きく異なります。
| 区分 | 要件の内容 |
|---|---|
| 一般建設業(新規) | 自己資本500万円以上、または500万円以上の資金調達能力(残高証明書等) |
| 特定建設業 | 欠損比率が資本金の20%以下、流動比率75%以上、資本金2,000万円以上かつ自己資本4,000万円以上 |
一般建設業許可の新規申請であれば、直前の決算で純資産が500万円以上あるか、または申請時点で金融機関の残高証明書により500万円以上を証明できればクリアできます。「資本金が500万円必要」ではありません。
要件⑤:欠格要件に該当しないこと
5つ目は、建設業法第8条に列挙された欠格事由に該当しないことです。法人の場合、役員や政令で定める使用人(支店長等)の全員が対象となるため、注意が必要です。
主な欠格事由としては、以下のとおりです。
- 破産者で復権を得ない者
- 禁錮以上の刑を受けてから5年を経過しない者
- 建設業法等の違反で罰金刑を受けてから5年を経過しない者
- 暴力団員またはその関係者
- 過去に建設業許可を取り消されてから5年を経過しない者
実務では、「5年の欠格期間」を過ぎているかどうかの起算日を正確に確認することが重要です。愛知県の申請では、身分証明書(本籍地の市区町村で取得)などの提出が求められます。
建設業許可の要件への対応方法
経営業務管理責任者がいない場合
社内に5年以上の経営経験者がいない場合でも、令和2年改正で導入された「常勤役員+補佐者」の体制であれば要件を満たせる可能性があります。建設業以外の業種で5年以上の役員経験があり、そのうち建設業で2年以上の役員経験がある方は、補佐者を配置することで対応できます。
専任技術者がいない場合
該当する国家資格を持った人材を採用する方法が最も確実です。すぐに採用できない場合は、既存の従業員に実務経験10年の要件を満たす方がいないかを確認しましょう。指定学科の卒業者であれば、実務経験の年数が短縮されます。
財産的基礎が足りない場合
一般建設業許可であれば、純資産ではなく「500万円以上の資金調達能力」でも要件を満たせます。残高証明書の有効期限に注意しながら、申請のタイミングを計画的に調整しましょう。
建設業許可の5要件 比較一覧表
| 要件 | 概要 | よくある不備 |
|---|---|---|
| ①経営業務管理能力 | 5年以上の経営経験者を常勤で配置 | 常勤性の証明書類不足 |
| ②専任技術者 | 資格者または実務経験者を各営業所に配置 | 該当資格・経験の不足 |
| ③誠実性 | 不正・不誠実な行為のおそれがないこと | 過去の行政処分歴 |
| ④財産的基礎 | 自己資本500万円以上等 | 残高証明の時期ずれ |
| ⑤欠格要件非該当 | 法定の欠格事由に該当しないこと | 役員の前科・処分歴 |
よくある質問(FAQ)
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建設業許可の5つの要件とは何ですか?
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①経営業務の管理能力、②専任技術者の配置、③誠実性、④財産的基礎(500万円以上等)、⑤欠格要件に該当しないこと、の5つです。建設業法第7条と第8条に規定されています。
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個人事業主でも建設業許可は取得できますか?
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はい、取得できます。個人事業主の場合、本人が経営業務管理責任者と専任技術者の両方の要件を満たせば、1人でも申請が可能です。
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愛知県で建設業許可を申請する場合の窓口はどこですか?
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知事許可の場合、主たる営業所を管轄する愛知県の建設事務所が窓口です。大臣許可の場合は、国土交通省中部地方整備局への申請となります。
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| サービス内容 | 報酬額(税別) |
|---|---|
| 建設業許可新規申請 | 150,000円〜 |
| 許可の更新 | 100,000円〜 |
| 業種追加 | 100,000円〜 |
| 各種変更届 | 50,000円〜 |
| 決算変更届(事業年度終了届) | 40,000円〜 |
| 経営事項審査(経審) | 100,000円〜 |
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