専任技術者になれる資格一覧|実務経験で認められるケースも紹介

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建設業許可の取得に欠かせない要件のひとつが、専任技術者の配置です。専任技術者とは、営業所ごとに常勤で配置が求められる技術的な責任者のことです。国家資格で要件を満たす方法のほか、実務経験で認められるケースもあります。

「うちの会社で取れる資格はどれか」「資格がなくても許可は取れるのか」―そうした疑問を持つ中小企業経営者や個人事業主は少なくありません。この記事では、専任技術者になれる資格の一覧を業種別に整理し、実務経験による認定ルートや令和5年の要件緩和のポイントも解説します。

建設業許可の制度全体については、[建設業許可とは?29業種の一覧と取得すべき理由を行政書士が解説]をご覧ください。

専任技術者とは?制度の趣旨と基本ルール

専任技術者は、建設業法第7条第2号(一般建設業)および第15条第2号(特定建設業)に定められた許可要件です。営業所で行われる見積・入札・契約締結などの技術的判断を担う役割であり、許可を受けるすべての営業所に常勤で1人以上置かなければなりません。

ここでいう「専任」とは、その営業所に常勤し、専ら建設業の技術上の業務に従事することを指します。営業所の所在地から著しく遠い場所に住んでいる場合や、他社で常勤の技術者を務めている場合は、常勤性が認められません。

なお、主たる営業所においては、経営業務の管理責任者(経管)と専任技術者を同一人物が兼任することも可能です。ただし、別の営業所の専任技術者と兼任することはできません。許可取得後に専任技術者が退職し後任が不在になるケースにも注意が必要です。

出典:国土交通省「許可の要件」
参考記事:経営業務の管理責任者とは?改正ポイントと要件詳細 

専任技術者になれる資格一覧(一般建設業)

上記はあくまで代表的な資格の抜粋です。全29業種の完全な対応表は、国土交通省が公表している「建設業法における配置技術者となり得る国家資格等一覧」で確認できます。2級の技能検定合格者は実務経験が別途必要となる点にも注意してください。

特定建設業の専任技術者に必要な資格

特定建設業では、専任技術者の要件がさらに加重されます。原則として1級の国家資格者であることが求められ、2級資格や実務経験のみでは対応できない場合があります。

特に注意が必要なのが「指定建設業」の7業種(土木工事業・建築工事業・電気工事業・管工事業・鋼構造物工事業・舗装工事業・造園工事業)です。これらの業種では指導監督的実務経験のルートが使えず、1級の国家資格者または大臣特別認定者に限定されます。

一般建設業と特定建設業のどちらを取るべきかについては、[建設業許可の「一般」と「特定」の違いとは?どちらを取るべきか解説]で詳しく説明しています。

資格がなくても専任技術者になれる?実務経験による認定ルート

国家資格を持っていなくても、一定の実務経験があれば一般建設業の専任技術者になることが可能です。建設業法第7条第2号では、資格以外に次の2つのルートが認められています。

ルート①:10年以上の実務経験(法第7条第2号ロ)

許可を受けようとする業種の建設工事について、10年以上の実務経験があれば専任技術者の要件を満たします。資格も学歴も不問ですが、10年分の工事実績を書類で証明しなければなりません。

愛知県の知事許可申請では、実務経験証明書(様式第9号)に加え、経験期間中の工事請負契約書や注文書・請求書等の提出が求められます。

ルート②:指定学科卒業+実務経験(法第7条第2号イ)

建設業法施行規則で定められた「指定学科」を卒業している場合、実務経験の年数が短縮されます。

指定学科は業種ごとに異なります。たとえば土木一式工事であれば土木工学科・都市工学科など、建築一式工事であれば建築学科・環境デザイン学科などが該当します。卒業証明書で学科名を確認し、該当するかどうかを判断します。

令和5年の要件緩和|技士補でも専任技術者になれるように

令和5年(2023年)7月1日施行の建設業法施行規則改正により、施工管理技術検定の第一次検定合格者(技士補)が指定学科の卒業者と同等に扱われるようになりました。これにより、従来10年必要だった実務経験が大幅に短縮される可能性があります。

この緩和は一般建設業の専任技術者(主任技術者)の要件に適用されます。たとえば、2級土木施工管理技士の第一次検定に合格し、その後5年間の土木工事の実務経験を積めば、一般建設業の土木一式工事の専任技術者になれるようになりました。

資格がないために許可取得を諦めていた事業者にとって、技士補の取得は有力な選択肢です。第一次検定は年齢要件のみで受験でき(2級は17歳以上、1級は19歳以上)、学歴や実務経験は問われません。

出典:国土交通省「実務経験による技術者資格要件の見直し」 

愛知県での専任技術者の証明方法と実務上の注意点

愛知県で建設業許可を申請する際、専任技術者の証明には「資格の証明」と「常勤性の証明」の両方が必要です。

資格で要件を満たす場合は、合格証明書や免状の写しを提出します。一方、実務経験で証明する場合は、実務経験証明書(様式第9号)のほか、経験期間中の在籍を裏付ける書類として、厚生年金の加入記録や工事請負契約書などの提出が求められます。

常勤性の証明については、健康保険・厚生年金の標準報酬決定通知書や資格確認書などが確認資料となります。従来型の健康保険証は新規発行が終了しているため、マイナンバーカードに紐づく資格情報での確認が主流に移行しつつあります。

実務上よくあるつまずきとして、前職での経験を使う際に前勤務先から実務経験証明書への押印をもらえないケースがあります。その場合でも、登記簿や厚生年金の記録、工事関連の書類など客観的な資料で補完できる場合があるため、早めに行政書士へ相談されることをおすすめします。

関連記事:建設業許可の5つの要件とそれぞれの対応

一般建設業と特定建設業の専任技術者要件 比較表

よくある質問(FAQ)

専任技術者になれる資格にはどのようなものがありますか? 

施工管理技士(土木・建築・電気・管・造園・電気通信・建設機械)、建築士、技術士、電気工事士、技能検定合格者などが該当します。業種ごとに対応する資格が異なります。

資格がなくても専任技術者になれますか? 

はい、一般建設業であれば許可を受けたい業種の建設工事について10年以上の実務経験があれば認められます。指定学科の卒業者は3年または5年に短縮されます。

2級施工管理技士の第一次検定だけ合格しても使えますか?

令和5年7月の改正により、2級技士補は高校指定学科卒と同等に扱われます。合格後5年以上の実務経験を積めば、専任技術者の要件を満たせます。

専任技術者と経営業務の管理責任者を兼任できますか?

はい、同一の営業所に常勤している場合は兼任が可能です。個人事業主が1人で両方の要件を満たすケースも実務上よくあります。

愛知県で専任技術者の常勤性はどのように証明しますか? 

健康保険・厚生年金の標準報酬決定通知書、資格確認書などで証明します。住民票で営業所との距離も確認されます。

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