技能実習生は2027年4月以降どうなる?|みらい行政書士事務所

技能実習生は2027年4月以降どうなる?経過措置と移行ルール

【執筆時点情報】 本記事は2026年5月時点で公表されている情報(出入国在留管理庁「育成就労制度の概要(令和7年12月改訂)」、分野別運用方針(2026年1月閣議決定)、育成就労制度Q&A 等)に基づいて執筆しています。育成就労制度は2027年4月1日施行予定であり、運用要領・省令・告示の公表により詳細が変更される可能性があります。最新情報は随時更新します。

「2027年4月に育成就労制度が始まると、受け入れている技能実習生はどうなるのだろう」「在留期間の途中で制度が変わったら、強制的に帰国させなければならないのか」―こうした不安をお持ちの受入企業や監理団体の方は非常に多くいらっしゃいます。

結論から申し上げると、2027年4月1日の施行日時点で「技能実習」の在留資格を持っている方は、原則として技能実習のままで在留を継続できます。本記事では、経過措置の基本ルール、技能実習1号〜3号別の取り扱い、育成就労への切り替え可否、受入企業がいま準備すべきことを解説します。

そもそも2027年4月に何が変わるのか(育成就労制度施行の概要)

2027年4月1日、新しい在留資格「育成就労」が創設されます。同時に、現行の技能実習制度は法律上廃止されます。

技能実習制度は1993年の創設以来、国際貢献を目的としてきましたが、育成就労は「人材確保と人材育成」を目的とする全く別の制度として再設計されました。詳細は育成就労制度とはおよび出入国在留管理庁の育成就労制度ページをご参照ください。

育成就労と技能実習の主な違い

技能実習育成就労
制度目的国際貢献・技能移転人材確保+人材育成
在留期間最長5年(1号〜3号)原則3年
転籍原則不可一定要件下で可能
日本語要件実質なし入国時A1相当(N5程度)等を予定

「廃止」と「経過措置」の関係

技能実習制度は法律上廃止されますが、すでに技能実習で在留している外国人を施行日に強制帰国させる制度ではありません。改正法の附則に経過措置が規定されており、施行日時点で在留している技能実習生は、引き続き「技能実習」の在留資格で在留を継続できることが確定しています。この点は、現場で最も混同されやすい部分です。

技能実習生の2027年4月以降の取り扱い(経過措置)

経過措置の基本的な考え方は、「施行日前から技能実習にあった者は技能実習のまま完結させる」というものです。育成就労への乗り換えは想定されていません。

在留資格の継続・更新ルール

確定事項として、以下の取り扱いが公表されています。

  • 2027年4月1日時点で「技能実習」の在留資格を有する者は、同資格で在留を継続できます。
  • 同日時点で技能実習計画の認定を受けている者についても、認定計画に基づいて引き続き技能実習を行えます。
  • 在留期間更新許可申請は、施行日以降も「技能実習」の在留資格のまま受け付けられます。
  • 在留資格変更は、技能実習1号→2号、2号→3号といった技能実習内の段階移行に限り認められます。

一方、施行日以後は「技能実習」の在留資格への新規変更・新規認定は行われない見込みです。新規受入は育成就労に一本化されます。

技能実習1号・2号・3号別の移行パターン

施行日時点で在留している技能実習生は、区分ごとに今後のパターンが異なります。

特に注意したいのは、施行日時点で2号在籍が1年未満の技能実習生です。3号への移行ルートが制限される方向と公表されており、結果として在留期間が想定より短くなる可能性があります。詳細は出入国在留管理庁の育成就労制度Q&Aもあわせてご確認ください。

施行日前にCOE取得済みで未入国の場合

実務で意外と見落とされやすいのが、施行日前に在留資格認定証明書(COE)を取得しているが、まだ入国していないケースです。

  1. 施行日前にCOE交付を受けた者は、原則として2027年6月30日までに入国する必要があります。
  2. COE交付日が施行日前で、入国が施行日以後となる場合は、COE交付日から3か月以内に入国する必要があります。
  3. 上記期限を過ぎるとCOEは失効し、改めて申請をやり直す必要が生じます。

この点は技能実習制度の経過措置資料に明記されている確定事項です。

受入企業・監理団体が混同しやすいポイントと実務上の注意

当事務所が外国人雇用に関するご相談を受ける中では、「経過措置で技能実習を続けられる」という言葉だけが独り歩きし、結果として受入計画に齟齬が生じるケースを多く拝見します。以下、特に注意していただきたい点を整理します。

  • 技能実習から育成就労への在留資格変更はできません。 
    制度趣旨が異なるため、「途中から育成就労に切り替え」といった運用は想定されていません。
  • 施行日後に他の在留資格(例:特定技能、技人国)へ変更した場合、技能実習には戻れません。 
    一度別資格に変えた後で「やはり技能実習に戻したい」は不可です。
  • 病気・ケガによる一時中断後の復帰は可能です。 ただし中断中に他資格に変更すると技能実習に戻れません。

技能実習と育成就労の併存期間に注意

2027年4月1日から、技能実習3号修了者が出てくる2030年3月頃までの約3年間は、社内で「技能実習生」と「育成就労外国人」が併存する受入企業が多くなる見込みです。両者は転籍ルール、賃金水準、日本語教育義務、監理体制が異なるため、運用マニュアルを分けて整備しておく必要があります。技能実習制度の実務経験を踏まえると、ここを曖昧にすると労務トラブルの温床になりやすい部分です。

監理団体は監理支援機関への切り替え準備が必要

現行の監理団体が、施行日以後も育成就労分野で監理を行うには、新たに監理支援機関の許可が必要です。許可申請の受付は2026年4月15日から開始されています。

よくある質問(FAQ)

いま雇っている技能実習生は、2027年4月に強制的に帰国しなければなりませんか?

2027年4月1日時点で「技能実習」の在留資格を有する方は、改正法附則の経過措置により、引き続き技能実習のままで在留を継続できることが確定しています。在留期間の更新も従来どおり可能で、1号→2号、2号→3号への段階移行も認められます。ただし、技能実習から育成就労への在留資格変更は認められていない点に注意が必要です。

技能実習生をそのまま育成就労に切り替えて、転籍を認めることはできますか?

できません。技能実習 移行 育成就労については、制度趣旨が「国際貢献」から「人材確保・育成」へと根本的に異なるため、現在の技能実習生をそのまま育成就労へ振り替える運用は想定されていません。

まとめ

2027年4月以降も技能実習生は技能実習のまま在留を継続でき、強制帰国にはならないことが確定しています。一方で、技能実習から育成就労への切り替えは認められず、長期雇用には特定技能1号への移行ルートが現実的です。技能実習1号・2号・3号で進路が異なる点、施行日前COE取得者には2027年6月30日の入国期限がある点は特に重要です。

出入国在留管理庁 育成就労制度

出入国在留管理庁 育成就労制度の施行に伴う技能実習の経過措置について

外国人技能実習機構(OTIT)

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