特定技能所属機関が提出する届出(報告)の種類
この記事では、特定技能所属機関(受入れ企業)が提出する届出書の種類、提出期限と提出先、2026年4月からの定期届出のルール変更、建設分野などで別に必要となる受入報告、そして届出漏れが招くリスクを整理します。
※本記事は執筆時点(2026年9月)に確認できた公表情報に基づいています。様式や運用は変更される可能性があるため、実際の提出前に最新情報をご確認ください。
届出義務の根拠は入管法
特定技能所属機関とは、特定技能外国人と雇用契約を結んで受け入れている企業や個人事業主のことです。この受入れ側には、入管法に基づき、受入れ状況などを地方出入国在留管理局へ届け出る義務があります。
届出は大きく2つに分かれ、決まった時期にまとめて出す「定期届出」と、特定の事由が起きたときに出す「随時届出」があります。
愛知・名古屋での届出
出入国在留管理庁の公表によると、令和7年末時点の在留外国人数は都道府県別で愛知県が35万7,800人と全国3番目でした。同時点の「特定技能」の在留者数は全国で39万296人となり、前年末から10万人以上増えています。
愛知県は自動車を中心とした製造業の集積地であり、関連する製造業や建設、外食、介護など幅広い分野で受入れが進んでいます。一方で、技能実習からの移行を機に初めて特定技能を扱う企業も多く、技能実習とは届出の仕組みが異なる点が見落とされがちです。
定期届出と随時届出の違い
まず2つの届出を表で確認します。
| 項目 | 定期届出 | 随時届出 |
|---|---|---|
| いつ出すか | 年1回(決まった期間) | 事由が生じたとき |
| 対象期間 | 4月1日〜翌年3月31日 | ― |
| 提出期限 | 翌年4月1日〜5月31日 | 事由が生じた日から14日以内 |
| 主な内容 | 受入れ・活動・支援の実施状況 | 契約や支援体制の変更 |
| 提出者 | 特定技能所属機関 | 特定技能所属機関 |
なお、定期届出は以前は四半期ごとの提出でしたが、年1回に変更されています。
定期届出|提出は毎年4月1日〜5月31日
提出が必要になる条件
対象期間(4月1日〜翌年3月31日)中に1日でも在留資格「特定技能」を有する外国人と雇用契約関係があった場合、提出が必要です。
主な提出書類
全ての特定技能所属機関に共通して求められる書類は次のとおりです。
- 受入れ・活動・支援実施状況に係る届出書
- 特定技能外国人の受入れ・活動・支援実施状況
- 届出書の署名欄 ※支援の全部を登録支援機関に委託している場合
- 報酬支払証明書 ※預貯金口座への振込み以外の方法で報酬を支払っている場合
- 理由書 ※期限内に提出できなかった場合など
随時届出|事由発生から14日以内
随時届出は、契約や支援体制に変化が生じたときに提出するものです。期限は原則として事由が生じた日から14日以内と短く、気づいたときには過ぎているという事態が起こりやすい届出です。
出入国在留管理庁が示す特定技能所属機関の随時届出には、主に次のものがあります。
- 特定技能雇用契約に係る届出
- 1号特定技能外国人支援計画の変更に係る届出
- 支援委託契約に係る届出
- 受入れ困難に係る届出
- 基準不適合に係る届出
- 1号特定技能外国人支援計画の実施が困難となったことに係る届出
届出内容によって求められる疎明資料が異なるため、添付資料は入管庁の最新情報を確認するのが確実です。
入管への届出とは別に必要な「分野固有の報告」
特定技能の報告義務は入管への届出だけではありません。分野を所管する省庁や協議会に対する報告が別に定められている場合があります。
建設分野|1号特定技能外国人受入報告書
建設分野では、国土交通大臣から建設特定技能受入計画の認定を受けたうえで受入れを開始します。そして受入れを開始したときは、速やかに「1号特定技能外国人受入報告書」を国土交通省へオンラインで提出する必要があります。
認定を受けた特定技能外国人が入国(就労開始)したら原則として1か月以内に受入報告を行うこととされています。
届出を怠った場合のリスク
届出義務には罰則が定められています。
入管法では届出をしなかった者や虚偽の届出をした者を、30万円以下の罰金に処すると定めています。また、届出をはじめとする義務の履行に問題があると判断された場合、出入国在留管理庁からの指導・改善命令の対象となり得ます。
よくある質問
-
定期届出はまだ四半期ごとに出す必要がありますか。
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年1回に変更されています。対象期間は4月1日から翌年3月31日までで、提出期間は翌年4月1日から5月31日までです。
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建設業です。入管に定期届出を出せば、国土交通省への報告は不要ですか。
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いずれも必要です。建設分野では受入計画の認定を受けた後、就労開始から原則1か月以内に「1号特定技能外国人受入報告書」を国土交通省へ提出します。
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