建設特定技能受入計画の認定申請|要件・必要書類と申請までの流れ
建設業で特定技能外国人を採用する際、入管の手続きのほかに「国土交通省への申請」が必要になります。
この記事では、建設分野に固有の手続きである建設特定技能受入計画の認定申請について、認定基準・必要書類・申請先と管轄・スケジュールの目安・つまずきやすい点を整理します。
※本記事は執筆時点(2026年9月)に確認できた公表情報に基づいています。要件や運用は改正される可能性があるため、実際の申請前には必ず最新情報をご確認ください。
建設特定技能受入計画とは?建設分野だけに求められる国交省の手続き
建設特定技能受入計画とは、1号特定技能外国人の報酬予定額や安全・技能習得の計画などを記載し、国土交通大臣の認定を受ける計画書のことです。建設分野で特定技能外国人を受け入れる企業には、入管への在留資格の手続きとは別に、この認定を得ることが求められます。
なぜ建設分野だけ追加の手続きがあるのか
建設業では、工事ごとに就労場所が変わるため現場単位の就労管理が必要になります。また、季節や受注状況によって仕事の繁閑があり、報酬が変動しやすいという実態もあります。そのため外国人の就労環境確保にはとくに配慮が必要とされ、分野固有の仕組みが設けられました。
ポイント
建設特定技能受入計画の認定は認定を受けずに就労させることは制度上認められず、認定証は入管への申請の添付書類にもなります。国土交通省は、認定が出ない限り出入国在留管理庁の許可等は出ないと明示しています。
愛知・名古屋で建設分野の受入れを検討する企業が増えている背景
出入国在留管理庁の公表によると、令和7年末時点の在留外国人数は全国で412万5,395人となり、都道府県別では愛知県が35万7,800人で東京都・大阪府に次ぐ3番目でした。同時点の在留資格別では「特定技能」が39万296人で、前年末から10万人以上増えています。
愛知県は自動車産業を中心とした製造業の集積地として知られますが、その基盤となる工場・物流施設の建設や、都市部の再開発、道路・河川などのインフラ維持更新まで、建設需要の裾野は広いのが実情です。
建設特定技能受入計画の主な認定基準7項目
企業側の体制に関する要件と、外国人の処遇に関する要件、そして受入れ後の義務に大きく分かれます。
国土交通省が示す主な認定基準は、次の7項目です。
- 受入企業が建設業法第3条の許可を受けていること
- 受入企業および1号特定技能外国人の建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録
- JACへの加入およびJACが策定した行動規範の遵守
- 特定技能外国人の報酬額が同等の技能を有する日本人と同等額以上であり、月給制による安定的な賃金支払いと技能習熟等に応じた昇給が行われること
- 賃金等の契約上の重要事項を、外国人が十分に理解できる言語で書面により事前説明すること
- 受入れ後、1号特定技能外国人に国土交通大臣が指定する講習・研修を受講させること
- 国または適正就労監理機関((一財)国際建設技能振興機構=FITS)による巡回指導の受入れ
企業側に求められる体制の要件
まず押さえるべきは建設業許可です。特定技能を受け入れるためには、500万円未満の軽微な工事のみを請け負う企業であっても必須とです。
CCUSについては、企業の事業者登録は受入計画の認定申請までに完了させておく必要があります。外国人本人の技能者登録は、すでに日本に在留している場合は認定申請時に、海外から新規入国する場合は原則として入国後の対応になります。
さらに、受入人数にも上限があります。1号特定技能外国人の数が、受入企業の常勤職員の総数を超えないことが条件とされています。
注意
JACへの加入とCCUSの登録は、いずれも手続きに一定の時間がかかります。
報酬・処遇に関する要件
- 同等の技能を有する日本人技能者の報酬と比較して適切に設定すること
- 第2号技能実習生の報酬額を上回ること
- 同じ企業で外国人建設就労者を雇用している場合は、その者と同等額以上であること
- 報酬は月給制とし、働く日数で毎月変動する日給月給制は認められないこと
- 技能の習熟に応じた昇給を行うこと
受入れ後に生じる義務
認定は「取れば終わり」ではありません。指定された講習・研修の受講、FITS等による巡回指導の受入れ、国土交通省が行う調査・指導への協力が継続的に求められます。
申請先と管轄|外国人就労管理システムと地方整備局
申請は、国土交通省の「外国人就労管理システム」から原則オンラインで行います。審査・認定の事務を担うのは、受入企業の主たる営業所を管轄する地方整備局等です。
| 内容 | |
|---|---|
| 申請方法 | 外国人就労管理システムによるオンライン申請 |
| 認定権者 | 国土交通大臣 |
| 審査実施機関 | 受入企業の主たる営業所を管轄する地方整備局等 |
| 愛知県の管轄 | 中部地方整備局 建政部建設産業課 |
愛知県内に主たる営業所がある企業の場合、審査を担当するのは中部地方整備局(名古屋市中区三の丸二丁目5番1号)の建政部建設産業課です。
なお、在留資格の審査を行う入管の窓口は別組織です。愛知県内の企業であれば、名古屋出入国在留管理局が窓口となります。
必要書類の一覧と集めるときのポイント
社内で作成できる書類と外部から取得する書類に分けて把握しておくと、段取りを組みやすくなります。また、ここで記載する書類は一例になりますので、必ず最新情報をご確認ください。
会社・体制に関する書類
| 書類名 | 主な取得先・作成元 | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 建設特定技能受入計画 | 受入企業 | 外国人就労管理システムで作成 |
| 登記事項証明書、住民票(原本)等 | 法務局/市区町村 | 原本が必要 |
| 建設業許可証の写し | 受入企業 | 軽微な工事のみでも許可は必須 |
| 常勤職員数を明らかにする文書 | 受入企業 | 1号特定技能外国人の数が常勤職員数を超えない |
| CCUSの事業者IDを確認する書類 | 建設キャリアアップシステム | 事業者登録は認定申請までに完了させておく |
| JACの会員証等 | JACまたは正会員である建設業者団体 | 賛助会員か団体経由の会員かで書類が異なる |
報酬・雇用条件に関する書類
| 書類名 | 主な取得先・作成元 | 準備のポイント |
|---|---|---|
| ハローワークで求人した際の求人票 | ハローワーク | 求人誌・求人サイトでは代替できない |
| 同等の技能を有する日本人と同等額以上の報酬であることの説明書 | 受入企業 | 比較対象者の選定 |
| 就業規則および賃金規程 | 受入企業 | 昇給額等の記載が必要 |
| 同等の技能を有する日本人の賃金台帳 | 受入企業 | 比較対象として誰を示すかで内容が変わる |
| 同等の技能を有する日本人の実務経験年数を証明する書類 | 受入企業 | 経験年数が大きく離れた人は参考にできないとされる |
| 特定技能雇用契約書および雇用条件書 | 受入企業 | 月給制であること |
| 時間外労働・休日労働に関する協定届、変形労働時間に係る協定書・協定届、年間カレンダー | 受入企業(労基署届出済のもの) | 届出済の控えを用意する |
| 雇用契約に係る重要事項事前説明書の写し | 受入企業 | 外国人が十分に理解できる言語で作成し、契約前に説明する |
| 建設キャリアアップシステムカードの写し | 建設キャリアアップシステム | 国内在留者は申請時、海外から新規入国する場合は入国後 |
申請から認定・入管手続きまでの流れとスケジュールの目安
全体の流れ
- 建設業許可の確認、CCUS事業者登録、JAC加入などの前提条件を整える
- ハローワークでの求人など国内人材確保の取組を行う
- 特定技能雇用契約の締結、重要事項の事前説明(書面・理解できる言語)
- 外国人就労管理システムから建設特定技能受入計画の認定申請
- 認定証の交付
- 入管への在留資格申請(新規認定・変更)
- 就労開始後、受入報告書の提出、指定講習・研修の受講など
時期の目安
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 受入計画の認定申請から認定まで | 1か月半〜2か月程度(補正期間を除く) |
| 入管への在留資格の申請時期 | 就労開始希望日の2〜3か月前が目安 |
注意
受入計画の認定申請と、在留資格の申請は並行して行うことが可能です。ただし、受入計画の認定証が入管申請の添付書類となるため、認定が出ない限り入管の許可等は出ません。
よくある質問
-
500万円未満の工事しかしていません。それでも許可は必要ですか。
-
建設業法上は軽微な工事のみなら許可の取得は任意ですが、特定技能を受け入れるためには必要です。
-
認定申請と入管の申請は、どちらを先にすべきですか。
-
並行申請が可能です。ただし受入計画の認定証が入管申請の添付書類になるため、認定が出ないうちに入管の許可等が出ることはありません。受入計画の申請を先に、あるいは同時に進めるのが現実的な段取りになります。
「自分に合う在留資格が分からない」—そのような段階でも、お気軽にご相談ください。
みらい行政書士事務所は、愛知県名古屋市を拠点に、就労ビザ・配偶者ビザ・家族滞在ビザ・永住許可・帰化申請など、外国人の方に関する在留資格手続きを専門的に取り扱う行政書士事務所です。
「どの在留資格に当てはまるのか」「要件を満たしているか不安」といったご相談から、申請書類の作成など、一人ひとりの状況に合わせトータルサポートいたします。
まずはお気軽にご相談ください (相談無料)
お問い合わせフォーム、LINE、お電話からお問い合わせください。
お問い合わせフォーム
事務所概要
| 事務所名 | みらい行政書士事務所 |
| 代表者名 | 長谷川大輔 (登録番号:26191054) |
| 所在地 | 愛知県名古屋市中区丸の内二丁目1番36号 NUP・フジサワ丸の内ビル8階 |
| 電話番号 | 052-990-6762 |
| 営業時間 | 平日 9:00〜18:00(土日祝も対応可能) |

