飲食店営業許可とは?必要な手続きの全体像・取得の流れ・開業までのステップを解説

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飲食店営業許可は、食品衛生法第55条に基づき、飲食店を開業する前に必ず取得しなければならない許可です。名古屋市をはじめ愛知県内で飲食店を開業したい方に向けて、許可取得の流れ、必要書類、施設基準、申請手数料、さらに保健所以外に必要な届出の全体像まで、行政書士の実務経験をもとにわかりやすく解説します。

「何から手を付ければいいかわからない」「物件を契約する前に知っておくべきことがあるのでは」とお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。

関連記事:【申請代行】名古屋市で飲食店営業許可を取得するには?申請先・手数料・手続きのポイント

飲食店営業許可の法的根拠

飲食店営業許可とは、食品衛生法第55条第1項に基づき、都道府県知事(名古屋市では市長)が施設の衛生基準への適合を確認したうえで付与する許可です。レストラン、居酒屋、カフェ、ラーメン店、テイクアウト専門店など、調理した食品を提供する営業はすべてこの許可の対象となります。

2021年6月の改正食品衛生法施行により、従来の「喫茶店営業」は「飲食店営業」に統合されました。現在は、喫茶店やカフェであっても飲食店営業許可が必要です。

出典:食品衛生法の改正について|厚生労働省 

飲食店営業許可を取得するまでの6つのステップ

飲食店営業許可の取得は、次の6つのステップで進みます。名古屋市の場合を中心に解説しますが、愛知県内の他市町村でも基本的な流れは同じです。

ステップ1:保健所(保健センター)への事前相談

施設の工事に着工する前に、管轄の保健所へ設計図面を持参して相談します。名古屋市では、各区の保健センターが窓口です。業種や提供メニューによって必要な設備が異なるため、図面の段階で助言を受けることが手戻りを防ぐ最大のポイントです。

ステップ2:食品衛生責任者の資格取得

飲食店営業許可の取得には、施設ごとに食品衛生責任者を1名配置する義務があります。調理師・栄養士・製菓衛生師などの資格保有者はそのまま就任できますが、資格がない場合は食品衛生責任者養成講習会を受講する必要があります。

愛知県では、集合型講習(1日・約6時間)またはeラーニング(30日以内に受講完了)の2種類が用意されています。受講料は7,000円程度です。名古屋市では名古屋市食品衛生協会が、名古屋市外では愛知県食品衛生協会の各支部が実施しています。

ステップ3:必要書類の準備と申請

名古屋市では、営業開始予定日の20日前までに申請書類一式を管轄の保健センターへ提出します。必要書類は以下のとおりです。

なお、厚生労働省の「食品衛生申請等システム」を利用すれば、オンラインでの申請も可能です。ただし、手数料の納付は保健センター窓口での現金払いが必要です。

ステップ4:施設の検査(実地調査)

申請書を提出した後、保健所の担当者が店舗を訪問し、施設基準への適合を確認します。営業者本人の立ち会いが必要です。基準に適合しない箇所がある場合は改善のうえ再検査となるため、開店スケジュールに余裕をもって進めましょう。

ステップ5:営業許可証の交付

施設検査に合格すると、数日後に営業許可証が交付されます。許可証は店舗内の見やすい場所に掲示する義務があります。

ステップ6:営業開始・HACCP対応

2021年6月から、飲食店を含むすべての食品等事業者にHACCP(ハサップ)に沿った衛生管理が義務化されています。小規模飲食店は「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」に取り組めばよく、厚生労働省が公開している業種別手引書に沿って衛生管理計画を作成し、実施・記録を行います。

出典:食品取扱施設 営業許可|名古屋市公式ウェブサイト・食品営業許可について|出典:愛知県行政手続情報案内システム ・一般的な営業許可手続きの流れ
関連記事:飲食店営業許可の申請に必要な書類・施設基準・食品衛生責任者の要件をまとめて解説

施設基準のポイント:内装工事前に押さえるべき要件

2021年6月の食品衛生法改正で施設基準が全国統一化されました。飲食店営業許可を取得するために必ず満たすべき主な基準を紹介します。

まず、調理場と客席は明確に区画する必要があります。調理場の床・壁・天井は、清掃しやすい不浸透性の材質であることが求められます。食材や器具を衛生的に保管できる設備として、十分な容量の冷蔵庫・冷凍庫を設置してください。

次に、手洗い設備は調理場内に専用のものが必要です。手洗い専用の流水式設備(レバー式・センサー式が望ましい)を設け、石けん・消毒液・ペーパータオルを常備します。食器洗浄用のシンクとは別に設置する点を見落とす方が多いため、設計段階で必ず確認しましょう。

さらに、換気設備、防虫・防鼠設備、廃棄物容器(ふた付き)、適切な照明も必須です。これらの基準に適合しない場合は許可が下りませんので、内装工事の前に保健所へ事前相談することが極めて重要です。

出典:新たな施設の基準について|愛知県(PDF)
出典:施設基準の全体像|厚生労働省(PDF) 

愛知県・名古屋市の飲食店営業許可:手数料と有効期間の比較

愛知県内で飲食店営業許可を申請する場合の手数料と有効期間を比較します。名古屋市と名古屋市以外(愛知県条例適用エリア)では金額が異なります。

許可の有効期間は、施設の構造や設備の耐久性を査定して決定されます。一般的な飲食店の場合、おおむね5年から8年の範囲で設定されることが多いです。

なお、豊橋市・岡崎市・一宮市・豊田市は中核市として独自に保健所を設置しているため、申請窓口はそれぞれの市の保健所です。手数料は愛知県条例に準じます。

出典:許可を要する営業及び申請手数料|名古屋市(PDF) 
出典:食品営業許可申請手数料一覧表|愛知県(PDF) 

飲食店開業で保健所以外に必要な届出一覧

飲食店営業許可は保健所への申請ですが、開業にあたっては他の行政機関への届出も必要です。漏れがあると営業開始後にトラブルになるため、事前に全体像を把握しておきましょう。

深夜酒類提供飲食店営業開始届については、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)第33条に基づく届出であり、居酒屋やバーなど深夜帯にお酒を提供する店舗は該当する可能性が高いです。

よくある質問(FAQ)

飲食店営業許可の申請から許可が下りるまで、何日くらいかかりますか? 

名古屋市では、申請後に施設検査を行い、合格してから数日で許可証が交付されます。申請から営業開始まで、全体でおおむね2~3週間が目安です。名古屋市は営業開始予定日の20日前までの申請を求めています。

テイクアウトやデリバリーだけでも飲食店営業許可は必要ですか? 

はい。調理した食品を販売する形態であれば、テイクアウト専門店やデリバリー専門店でも飲食店営業許可が必要です。

許可の有効期間が切れたらどうなりますか? 

有効期間が満了すると許可は失効し、営業を続ければ無許可営業となります。満了前に更新申請を行ってください。更新申請にも手数料がかかります(名古屋市:12,000円、愛知県:14,400円)。

行政書士に依頼するメリットは何ですか? 

施設基準の事前チェック、書類作成、保健所との調整をすべて代行できるため、開業準備に集中できます。特に初めて飲食店を開業する方には、手続きの漏れや不備を防ぐ大きなメリットがあります。

飲食店営業許可は「みらい行政書士事務所」にご相談ください

飲食店営業許可は、手続きの全体像を把握し、食品衛生責任者の資格取得や消防署・警察署・税務署への届出も漏れなく進めることが、スムーズな開業への近道です。「手続きが複雑でよくわからない」「本業の準備に集中したい」という方は、飲食店営業許可に精通した行政書士へご相談ください。

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※飲食店営業許可は別途申請手数料16,000円(名古屋市)が必要です。
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