不法就労助長罪とは?企業が負う確認義務と2027年の厳罰化

外国人を雇う企業が必ず知っておきたいのが「不法就労助長罪」であり、故意でなくても、確認を怠った企業が問われることがあります。「知らなかった」では済まされないため、正しく理解しておくことが大切です。

不法就労助長罪とは?

不法就労助長罪は、働く外国人本人ではなく、働かせた側・あっせんした側を処罰する規定であり、出入国管理及び難民認定法(入管法)第73条の2に置かれています。

この規定が対象とするのは、大きく次の行為です。

  • 事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせた場合
  • 外国人に不法就労活動をさせるために、自己の支配下に置いた場合
  • 業として、外国人に不法就労活動をさせる行為をあっせんした場合

つまり、直接雇用した会社だけが問われるわけではありません。人材を紹介した側や、実質的に働かせていた側も対象になり得ます。

ポイント】 不法就労助長罪は「悪質なブローカーだけの話」ではありません。通常の中小企業が、確認不足のまま外国人を雇い入れた結果として問われる可能性があります。

名古屋入管の管轄は。自動車を中心とした製造業の集積地であり、食品加工や建設、宿泊・飲食などでも外国人の受入れが広がっています。愛知県の在留外国人数は35万人以上で、東京都・大阪府に次ぐ全国3位でした。裾野の広い外国人雇用が根づいている地域だからこそ、強い法令遵守の意識が必要です。

「不法就労」にあたる3つのケース

不法滞在者や被退去強制者が働く

密入国した人や在留期限の切れた人が働く場合、また退去強制されることが既に決まっている人が働く場合が該当します。

 出入国在留管理庁から働く許可を受けていないのに働く

観光などの「短期滞在」で入国した人が働く場合や、留学生・難民認定申請中の人が許可を受けずに働く場合です。

認められた範囲を超えて働く

外国料理の料理人や語学学校の教員として働くことを認められた人が、工場などで単純労働に従事する場合が典型例です。留学生が許可された時間数を超えて働く場合もここに含まれます。

在留カードを持っている=どんな仕事でもできる、ということではありません。 在留資格ごとに、従事できる活動の範囲が決まっています。

留学生などが本来の在留資格以外の活動で報酬を得るには、資格外活動許可が必要です。包括許可の場合は原則として1週について28時間以内という上限があります。(参考:資格外活動許可とは?留学生アルバイトの28時間ルール

「知らなかった」では免責されない仕組み

ここが不法就労助長罪の最大の特徴です。結論から言えば、知らなかったことを理由に処罰を免れることは、原則としてできません。

入管法第73条の2第2項は、外国人の活動が不法就労活動であることなどを「知らないことを理由として、同項の規定による処罰を免れることができない」と定めています。そのうえで、「ただし、過失のないときは、この限りでない」という但し書きが置かれています。

つまり企業に求められているのは、確実な確認と、その記録です。逆に言えば、適切な確認を尽くしていたことを示せる体制こそが、企業を守る現実的な手立てになります。

現行の罰則と2027年4月からの引上げ

不法就労助長罪の罰則は引上げられることが決まっています。

企業が負う確認義務

採用前の在留カード確認

外国人を雇用する際は、在留カードで就労の可否と範囲を確認します。入管庁は、特別永住者を除き、在留カードを所持していない場合は原則として就労できないとしています。

偽造対策

近年は券面の偽造技術が精巧化しており、目視だけでは限界があります。入管庁定常の「在留カード等読取アプリケーション」などを用いて確認することをお勧めします。

在留カードのどこを見るか

在留カードは、確認すべき箇所が決まっています。3つのポイントに沿って整理します。

不法就労助長になりやすい5つの場面

期限切れに気づかない

採用時は適法でも、更新されないまま期限を過ぎれば不法残留です。就労を継続させれば、企業側の責任が問われる可能性があります。

業務内容と在留資格が合っていない

例として、「技術・人文知識・国際業務」で採用した人を、恒常的に現場作業に従事させるといったケースなどが挙げられます。入社後の配置転換で、いつの間にか範囲外になっていることもあります。

留学生アルバイトの時間超過

掛け持ち先を含めた合計で週28時間を超えていないか、企業側では把握しづらい部分です。自己申告と定期確認の仕組み作りが必要です。

個別のケースにより大きく異なりますので、判断に迷う場合は専門家に相談することを推奨します。

名古屋・愛知の企業が押さえたい管轄と地域の実情

手続きや相談先は、地域によって異なります。ここでは名古屋入管の管轄と、東海地域の実情を整理します。

名古屋出入国在留管理局は、愛知県、三重県、静岡県、岐阜県、福井県、富山県、石川県の7県を管轄しています。本局は名古屋市港区正保町にあり、あおなみ線港北駅から徒歩1分です。

在留関係の諸申請は原則として申請人の住所地を管轄する官署、在留資格認定証明書交付申請は原則として受入れ機関の所在地を管轄する官署で扱われます。

「自分に合う在留資格が分からない」—そのような段階でも、お気軽にご相談ください。

みらい行政書士事務所は、愛知県名古屋市を拠点に、就労ビザ・配偶者ビザ・家族滞在ビザ・永住許可・帰化申請など、外国人の方に関する在留資格手続きを専門的に取り扱う行政書士事務所です。

「どの在留資格に当てはまるのか」「要件を満たしているか不安」といったご相談から、申請書類の作成など、一人ひとりの状況に合わせトータルサポートいたします。

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