登録支援機関を設立する方法
登録支援機関を設立する方法とは?
特定技能の支援事業に参入したいと思っても、「自社は要件を満たすのか」「2027年の改正で何が変わるのか」が分かりにくく、準備に踏み出せない企業は少なくありません。この記事では、要件、申請の流れと費用、支援体制要件の改正のポイントを整理します。
目次
※本記事は執筆時点(2026年9月)の公開情報に基づいています。
登録支援機関とは?「設立」には登録が必要
登録支援機関の設立では、新しく法人をつくる必要はありません。出入国在留管理庁長官の「登録」を受けることがゴールです。
登録支援機関は、特定技能1号の外国人を受け入れる企業(特定技能所属機関)から委託を受け、生活面や仕事面の支援を行う機関です。個人・団体のどちらでも申請できます。
登録を受けるには、支援計画の全部を実施できる体制が必要です。また、委託された支援業務を別の事業者へ再委託することも認められていません。
実施が必要な「義務的支援10項目」
- 事前ガイダンス
- 出入国する際の送迎
- 住居の確保・生活に必要な契約の支援
- 生活オリエンテーション
- 公的手続等への同行
- 日本語学習の機会の提供
- 相談・苦情への対応
- 日本人との交流促進
- 転職支援(人員整理等の場合)
- 定期的な面談(3か月に1回以上)・行政機関への通報
愛知県は特定技能1号の在留者数が全国1位
出入国在留管理庁の公表資料(令和8年6月末の速報値、令和8年9月公表)では、愛知県の特定技能1号の在留者は31,677人で、都道府県別で最多です。製造業が集まる地域だけに、支援の担い手へのニーズは今後も続くと考えられます。
登録を受けるための要件
審査では、入管法第19条の26第1項の登録拒否事由に当たらないかが確認されます。大きく分けると「機関そのものの適格性」と「支援体制」の2つです。
支援体制は4つのルートのいずれかで満たす
支援体制は、次の4つのルートのうちいずれか1つを満たせば足ります。外国人の受入れ実績がない企業でも、相談業務の経験者を選任するなどの方法で要件を満たせる場合があります。
| ルート | 主な内容 |
|---|---|
| 受入れ実績 | 過去2年間に、就労系の在留資格を持つ中長期在留者の受入れ・管理を適正に行った実績があり、役職員から支援責任者と支援担当者1名以上を選任している |
| 相談経験者の選任 | 支援責任者と支援担当者を役職員から選任している。担当者は、過去5年間に2年以上、中長期在留者の生活相談業務に従事した経験を持つ人に限られる |
| 相談業務の経験 | 過去2年間に、報酬を得る目的で、業として在留外国人に関する各種の相談業務に従事した経験がある |
| 同程度と認められる | 上記と同程度に支援業務を適正に行えると認められる |
そのほかの主な要件
機関そのものの適格性
- 一定の刑罰を受けたなどの欠格事由に当たらない
- 過去1年間に、自らの責めに帰すべき事由で外国人の行方不明者を出していない
- 支援責任者が受入れ企業の役員の親族などではなく、過去5年間にその企業の役職員でもなかった(中立性)
支援体制の整備
- 外国人が十分に理解できる言語で、情報提供や相談に対応できる
- 定期的な面談を実施できる
- 支援状況の帳簿を作成し、1年以上備え置く
- 支援委託契約の締結時に、費用の額と内訳を示す
支援にかかる費用を、外国人本人に直接・間接を問わず負担させることはできません。
2027年4月施行の改正で変わる4つのポイント
出入国管理及び難民認定法施行規則などの改正により、令和9年(2027年)4月1日から支援体制の要件が厳しくなります。これから登録する場合も、改正後の要件を見すえた人員計画が欠かせません。
| 改正点 | 施行後の内容 |
|---|---|
| 常勤者から選任 | 支援業務を行う事務所ごとに、常勤の役員または職員から、支援責任者と支援担当者をそれぞれ1名以上選任する(兼務は可能) |
| 従事者の限定 | 支援業務に従事できるのは、支援責任者と支援担当者に限られる |
| 養成講習の受講 | 支援責任者に、入管法や労働関係法令などの養成講習の受講を義務付ける |
| 人数要件 | 支援担当者の数が「受託している機関の数÷10」と「支援している外国人の数÷50」の両方を上回っている必要がある |
人数要件から逆算すると、支援責任者等の人数ごとの上限は次のとおりです。
| 支援責任者等の人数 | 受託できる機関の数 | 支援できる外国人の数 |
|---|---|---|
| 1人 | 10機関未満 | 50人未満 |
| 2人 | 20機関未満 | 100人未満 |
| 3人 | 30機関未満 | 150人未満 |
施行日前に申請しても、次の更新時には新しい要件が必要です。
施行日前に新規の登録を申請した場合、登録できるかどうかは改正前の要件で判断されます。ただし、その後に登録を更新するときは、改正後の要件を満たしていなければ更新を受けられません。
登録申請の流れと費用・期間
審査にはおおむね2か月かかります。入管庁は、支援業務を始める予定日のおおむね2か月前までに申請するよう案内しています。
- 要件の確認支援体制をどのルートで満たすか、登録拒否事由に当たらないかを確認します。
- 支援体制の整備支援責任者・支援担当者を選任し、対応言語や帳簿の管理体制を整えます。
- 書類の準備登録支援機関登録(更新)申請書(別記第29号の15様式)、「提出書類一覧・確認表」に沿った立証資料、手数料納付書をそろえます。
- 管轄の入管へ提出窓口での提出のほか、郵送でも申請できます(オンライン申請には対応していません)。
- 審査登録拒否事由に当たるかどうかが審査されます(おおむね2か月)。
- 登録通知書の交付登録支援機関登録簿に載り、登録支援機関登録通知書が交付されます。拒否事由に当たると判断された場合は、登録拒否通知書が交付されます。
費用・期間の目安
| 新規登録の手数料 | 28,400円(収入印紙。申請後の返還は不可) |
|---|---|
| 更新の手数料 | 11,100円 |
| 審査期間 | おおむね2か月 |
| 有効期間 | 5年間 |
| 更新申請の期間 | 有効期間が満了する日の6か月前の月の初日から、4か月前の月の末日まで |
| そのほか | 返信用封筒(角形2号、490円分の切手を貼付) |
※金額・期間は執筆時点のものです。
申請先と名古屋入管の管轄
申請先は、本店または主たる事務所の所在地を管轄する地方出入国在留管理局または支局です。
名古屋出入国在留管理局は、愛知・三重・静岡・岐阜・福井・富山・石川の7県を管轄しています。
登録後に押さえたい3つの注意点
登録後も、法令に沿った運営を続ける必要があります。
届出の義務がある
出入国在留管理庁への各種届出が義務付けられています。届出を怠ると、指導や改善命令の対象になることがあります。
5年ごとに更新が必要
更新を受けないと登録は効力を失います。更新申請の期間はおよそ3か月と短いため、早めのスケジュール管理が大切です。
申請書類は作成できない
登録を受けても、在留資格の申請書類を報酬を得て作成することはできません。官公署に提出する書類の作成は行政書士の業務です(行政書士法第19条)。
よくある質問
個人でも登録支援機関になれますか?
外国人を受け入れた実績がなくても登録できますか?
申請から登録まで、どのくらいかかりますか?
2027年4月の改正前に申請したほうがよいですか?
まとめ
- 登録支援機関の設立とは、入管法第19条の24に基づいて出入国在留管理庁長官の登録を受けることです。
- 審査では、登録拒否事由(機関の適格性と支援体制)が確認されます。
- 支援体制は、受入れ実績や相談経験など4つのルートのいずれかで満たします。
- 2027年4月からは、常勤であること、人数の上限(10機関・50人ごと)などの新しい要件が加わります。
- 手数料は28,400円、審査はおおむね2か月、登録の有効期間は5年です。
まずは、自社がどのルートで要件を満たせるかを確認するところから始めましょう。
ご案内
みらい行政書士事務所は、名古屋・中区丸の内で外国人の在留資格を専門に扱う行政書士事務所です。登録支援機関の登録申請について、要件の確認から書類の作成、名古屋出入国在留管理局への申請までご相談いただけます。
| 事務所名 | みらい行政書士事務所 |
|---|---|
| 代表者 | 長谷川 大輔 登録番号:26191054 / 申請取次行政書士 |
| 所在地 | 〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内二丁目1番36号 NUP・フジサワ丸の内ビル8階 地下鉄丸の内駅1番出口 徒歩1分 |
| 電話番号 | 052-990-6762 |
| 料金 | 初回相談無料/見積り以外の追加請求なし(実費を除く) |
| 対応業務 | 登録支援機関の登録申請、就労ビザ、配偶者ビザ、家族滞在ビザ、永住許可、帰化、その他の在留手続き |
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